企業向け健康診断における予約システム活用と診断項目の解説

企業向け健康診断における予約システム活用と診断項目の解説

企業向け健康診断は、従業員の健康管理から企業の生産効率向上にも寄与する重要な施策です。定期的な健康診断を行うことで、従業員の健康状態を早期にキャッチアップし、疾患の早期発見と早期治療を促進できます。また、企業側で実施する健康診断の種類と診断項目を把握することで、当日の検診をスムーズに行えます。

本記事では、企業向け健康診断における予約システムの目的や導入メリット、そして健康診断の項目と実施時期について丁寧に解説します。

健康診断の診断項目について

まず健康診断の種類は大きく分けて、一般健康診断と特殊健康診断になります。健康診断の各診断項目は、より専門的な判断とともに各々の健康状態を詳細に把握するために重要な要素です。

ここではそれぞれの項目が何を意味するかを理解することで、健康診断の結果をより深く理解し活用できるようになります。

一般健康診断の診断項目

厚生労働省が公開している「一般健康診断の項目一覧表」によると、一般健康診断の種類は「雇入れ時、定期健康診断と特定業務従事者」に分けられます。

雇入れ時は、会社に雇用された際に受診する健康診断で、定期健康診断は従業員に対し1年以内ごとに1回実施するものです。また、特定業務従事者は、 深夜業などの特定業務への従業員に対して、当該業務への配置換えの際および6月以内ごとに1回行うものです。

診断項目意味・目的
既往歴及び業務歴の調査これまでの病気や手術の履歴、過去の健康診断での特記事項や指摘された項目、既知のアレルギーや服用中の薬に関する情報などを調べます
自覚症状及び他覚症状の有無の検査自覚症状は自身が感じている健康上の問題や体調の変化を自ら報告し、他覚症状では医師や看護師が検診時に観察した異常所見や特徴を記録します
身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査身長や体重、BMI(体格指数)などを測定することで、肥満や栄養状態を判断します
胸部エックス線検査肺や心臓の異常を発見するために行います
喀痰検査(かくたん)肺や気管支から出る喀痰を採取し、結核菌やその他の病原体、細胞の異常などを顕微鏡で観察します
血圧高血圧症などの血圧異常の有無を調べます
貧血検査血液中のヘモグロビン量や赤血球数を調べ、体内の酸素を運ぶ能力が適切かを評価します
肝機能検査血液サンプルを使用して、肝臓の健康状態や機能を評価します
血中脂質検査動脈硬化や心疾患のリスク評価を目的として、血中の脂質の濃度を測定します
血糖検査血中のグルコース(糖)濃度を測定し、糖尿病やその前段階である異常な糖代謝の有無を確認します
尿検査尿の成分を分析し、腎臓の機能や尿路感染、糖尿病などの病状を検出します
心電図検査心臓のリズムや伝導の異常、心筋の虚血などの異常を検出して、心臓の電気的な活動をグラフとして記録します

参照資料:厚生労働省「一般健康診断の項目一覧表

特殊健康診断の診断項目

特殊健康診断は、特定の業種や職種、作業内容に関連する健康リスクを特定し、そのリスクに特化した健康診断を指します。従業員が取り扱う有害物質や、特定の業務環境に伴う健康リスクを確認するために実施します。また、厚生労働省が発表した「労働安全衛生法第66条第2項、3項の政令で定める有害な業務について(特殊健康診断、歯科検診)」で、健康診断を⾏う必要のある該当の業務が明記されています。

ここでは、有機溶剤業務に携わる従業員の健康診断において必須項目の検査を紹介します。有機溶剤は、他の物質を溶かす性質を持つ有機化合物のことです。有機溶剤業務には、自動車整備士や塗装工、化学工場の作業員など有機溶剤を扱う業種が含まれます。

有機溶剤業務で必須の受診項目
有機溶剤による健康障害の既往歴の有無の検査
有機溶剤による⾃覚症状及び他覚症状の既往歴の検査
血液中の成分や数値を調べ、内臓器官の機能や全身の健康状態を評価します。

引用資料:厚生労働省 「労働安全衛生法第66条第2項、3項の政令で定める有害な業務について(特殊健康診断、歯科検診)

医者の判断で省略できる法定項目

厚生労働省が公表した「労働安全衛生法に基づく定期健康診断等の診断項目の取扱いが一部変更になります」によると、医師の判断により一部の検査が省略できることがあります。具体的に健康診断の際に健康診断票の記載事項に基づき、医師が検査の必要がないと判断した場合、一部の検査における省略が可能です。

診断項目受診する従業員の職種
身長の検査20歳以上の者
腹 囲次のいずれかに当てはまる者
① 40歳未満(35歳を除く)の者
➁ 妊娠中の女性その他の者であって、その腹囲が内臓脂肪の蓄積を反映し
ていないと診断された者
③ BMI(次の算式により算出したものをいう。以下同じ。)が20未満で
ある者 〔 BMI=体重(kg)/身長(m)2 〕
④ 自ら腹囲を測定し、その値を申告した者(BMIが22未満の者に限る。)
胸部エックス線検査40歳未満のうち、次のいずれにも該当しない者
① 5歳毎の節目年齢(20歳、25歳、30歳及び35歳)の者
➁ 感染症法で結核に係る定期の健康診断の対象とされている施設等で働い
ている者
③ じん肺法で3年に1回のじん肺健康診断の対象とされている者
喀痰検査次のいずれかに当てはまる者
① 胸部エックス線検査を省略された者
➁ 胸部エックス線検査によって病変の発見されない者又は胸部エックス線
検査によって結核発病のおそれがないと診断された者
血液検査35歳未満の者、及び36~39歳の者

引用資料:厚生労働省 「労働安全衛生法に基づく定期健康診断等の診断項目の取扱いが一部変更になります

診断項目を選ぶポイント

健康診断の診断項目を選ぶ際には、年齢、性別、健康状態、ライフスタイル、遺伝的なリスクなどを考慮することが重要です。年齢によってリスクが高まる疾患や健康問題が存在するためです。企業内の従業員の年齢構成に応じて、適切な診断項目を追加することが大切です。

医療機関や健康診断サービスに提供されるものの中から、従業員の特性やニーズに最も適した診断項目を選択することも有効です。

健康診断の実施時期について

企業向け健康診断は組織の健康を守るために重要な取り組みですが、適切な時期に実施することでその効果を最大化します。実施時期の一般的な傾向、実施時期の決定の上での考慮点について解説します。また、予定の変更やキャンセルの対応についても説明します。

実施時期の一般的な傾向

企業向け健康診断は、一般的に年に1回、特に新年度の初めに実施することが多いです。これは新しい年度の開始を良いスタートにすることや、従業員一人一人の健康状態を把握し、必要な健康管理を計画するための基盤となるからです。しかし、企業規模、業種、従業員の健康状態等により、実施時期は異なる場合もあります。

実施時期を決める上での考慮点

健康診断の実施時期を決定する際には、以下のような点を考慮することが望ましいです。

・従業員の仕事のピーク時期を避ける

・診断結果を基にした健康指導の計画立案に時間が取れるようにする

・企業の予算計画に合わせる

これらの要素を考慮することで、従業員の業務への影響を最小限に抑えつつ、健康診断を円滑に実施することが可能となります。

実施時期の変更やキャンセルについて

予定していた健康診断の日程を変更またはキャンセルする必要がある場合、早急に対応をすることが重要です。変更やキャンセルが続出すると、診断機関への負担や従業員の健康管理への影響が懸念されます。

診断機関との連携を強化し、個々の従業員の健康情報をしっかりと把握することで、円滑な健康診断の運営が可能となります。

企業向け健康診断の予約システムとは

企業向けの健康診断予約システムは、従業員の健康を管理するためのシステムの一つで、その役割は従業員がスムーズに健康診断を受けられるようにすることです。予約システムは、従業員が必要な診断項目を選び、実施時期を確認するなど、企業の運営における効率化につながります。

予約システムの目的

予約システムの主な目的は、従業員が希望時間と診断項目を自由に選択し、健康診断を受けやすくすることです。特に企業の規模が大きくなると、健康診断の日程や参加者の管理が難しくなるため、効率的な予約管理システムが不可欠です。

予約システム導入のメリット

予約システム導入のメリットは、管理作業の自動化や効率化を図れることです。これにより、重要なミーティングやプロジェクトの進行に影響を与えることなくスムーズに診察の受診につなげられます。また、手動管理に伴う人件費や人為的ミスによる再調整のコストを削減もでき、経営効率を高められます。

まとめ

本記事では、企業向け健康診断の予約システム活用方法、健康診断の項目と実施時期について解説しました。企業の健康診断を効率良く利用するための基本的な知識を学び、健康な職場環境を維持していくことが重要です。

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画像引用元:RESERVA公式ホームページ

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