企業向けの健康診断と人間ドックの具体的な違いを解説!

企業向けの健康診断と人間ドックの具体的な違いを解説!

企業向け健康診断は、従業員の健康管理から企業の生産効率向上にも寄与する重要な施策です。定期的な健康診断を行うことで、従業員の健康状態を把握でき、疾患の早期発見と早期治療を促進できます。一方で人間ドックは病気の予防や早期発見を目的としており、全身を詳しく検査することが可能です。

一般的に企業向け健康診断と人間ドックは似たような意味で用いられることもありますが、両者には明確な違いがあります。そこで本記事は、健康診断の概要、人間ドックの概要、健康診断と人間ドックの具体的な違い、病院の選定基準について解説します。そして、企業向け健康診断における予約システムの目的や導入メリットについても紹介します。

健康診断の概要

労働安全衛生法労働基準法の法令によって、労働者の健康管理が義務付けられています。企業の健康診断は、従業員の健康状態を把握し、労働災害や疾病の予防に役立ちます。また、診断結果をもとにリスクの予防や対策を講じることで、企業のリスクを最小限に抑えることができます。

健康診断の種類は大きく分けて、一般健康診断と特殊健康診断となります。

一般健康診断の診断項目

厚生労働省が公開している「一般健康診断の項目一覧表」によると、一般健康診断の種類は「雇入れ時、定期健康診断と特定業務従事者」に分けられます。

診断項目意味・目的
既往歴及び業務歴の調査これまでの病気や手術の履歴、過去の健康診断での特記事項や指摘された項目、既知のアレルギーや服用中の薬に関する情報などを調べます
自覚症状及び他覚症状の有無の検査自覚症状は自身が感じている健康上の問題や体調の変化を自ら報告し、他覚症状では医師や看護師が検診時に観察した異常所見や特徴を記録します
身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査身長や体重、BMI(体格指数)などを測定することで、肥満や栄養状態を判断します
胸部エックス線検査肺や心臓の異常を発見するために行います
喀痰検査(かくたん)肺や気管支から出る喀痰を採取し、結核菌やその他の病原体、細胞の異常などを顕微鏡で観察します
血圧高血圧症などの血圧異常の有無を調べます
貧血検査血液中のヘモグロビン量や赤血球数を調べ、体内の酸素を運ぶ能力が適切かを評価します
肝機能検査血液サンプルを使用して、肝臓の健康状態や機能を評価します
血中脂質検査動脈硬化や心疾患のリスク評価を目的として、血中の脂質の濃度を測定します
血糖検査血中のグルコース(糖)濃度を測定し、糖尿病やその前段階である異常な糖代謝の有無を確認します
尿検査尿の成分を分析し、腎臓の機能や尿路感染、糖尿病などの病状を検出します
心電図検査心臓のリズムや伝導の異常、心筋の虚血などの異常を検出して、心臓の電気的な活動をグラフとして記録します

参照資料:厚生労働省「一般健康診断の項目一覧表

特殊健康診断の場合

特殊健康診断は、特定の業種や職種、作業内容に関連する健康リスクを特定し、そのリスクに特化した健康診断を指します。従業員が取り扱う有害物質や、特定の業務環境に伴う健康リスクを確認するために実施するため、従業員が属する業務によって受診項目は異なります。

ここでは、有機溶剤業務に携わる従業員の健康診断において必須項目の検査を紹介します。

有機溶剤業務で必須の受診項目
有機溶剤による健康障害の既往歴の有無の検査
有機溶剤による⾃覚症状及び他覚症状の既往歴の検査
血液中の成分や数値を調べ、内臓器官の機能や全身の健康状態を評価します。

引用資料:厚生労働省「労働安全衛生法第66条第2項、3項の政令で定める有害な業務について(特殊健康診断、歯科検診)

人間ドックの概要

人間ドックは、生活習慣病をはじめとする体の異常や問題を早期発見することが目的です。また、人間ドックの検査項目は多く、多角的な角度から体の点検を行えることが特徴です。

人間ドックの基本項目

人間ドックの基礎検診には以下のような検査が含まれます。

診断項目意味・目的
身体計測(身長、体重、肥満度、BMI、腹囲)身長や体重、BMI(体格指数)などを測定することで、肥満や栄養状態を判断します
血圧測定高血圧症などの血圧異常の有無を調べます
心電図心臓のリズムや伝導の異常、心筋の虚血などの異常を検出して、心臓の電気的な活動をグラフとして記録します
視力遠視・近視・乱視などの屈折異常を測定し、レンズを使って矯正をします
聴力低い周波数(1000Hz)と高い周波数(4000Hz)の両方の音を聞くことができるかを検査します
呼吸機能大きく息を吸ったり吐いたりすることで、肺の機能を検査します
胸部X線エックス線により、主に肺、心臓、大動脈などの胸部に異常がないかを確認します
上部消化管Ⅹ線胃がんや十二指腸がんをはじめ、胃潰瘍や胃炎の検査をします

参照資料:公益社団法人 人間ドック・予防医療学会「2024年度 一日ドック基本検査項目表(健保連人間ドック健診項目表)

人間ドックを行う頻度

人間ドックの受診頻度は個々の健康状態や年齢によりますが、一般的に年に一度の受診が推奨されています。特に40歳以上の中高年層は、早期に疾病を発見するために定期的な受診を勧められます。また、経営者や一部専門職など健康管理が重要な職業に従事している場合も定期的な受診が推奨されます。

健康診断と人間ドックの具体的な違い

健康診断と人間ドックの具体的な違いにあたり、以下が挙げられます。

検査項目の違い

健康診断と人間ドックでは、受ける検査項目の数が異なります。健康診断では血圧や貧血検査を含めて、11項目程の検査になります。一方で人間ドックは健康診断の項目に加えて、50項目以上の検査を受けることができます。

人間ドックを受診することで、健康診断では検索することができない健康状態を確認することが可能になります。例えば、女性特有の疾患や脳に特化した検査などを含まれます。

費用の違い

労働安全衛生法等により企業に実施が義務付けられている健康診断は、企業が全額負担する義務があります。

会社負担が義務化している健康診断

雇入れ時
会社に雇用された際に受診する健康診断

定期健康診断
従業員に対し1年以内ごとに1回実施する健康診断

特定業務従事者
深夜業などの特定業務への従業員に対して、当該業務への配置換えの際および6月以内ごとに1回行う健康診断

一方で人間ドックは自身で保険の適用外となるため、全額自己負担となります。人間ドックは法的義務がないため、受診するかどうかの判断も自身で行う必要があります。

検査の所要時間

健康診断は比較的短時間で済むことが多く、通常は30分から1時間程度で終了します。一方で人間ドックは検査項目が多く、半日から1日での診断となることが多いです。特に人間ドックでは、オプション検査を付けると8時間程の検査になることが一般的です。

診断結果の詳細度

診断結果の詳細度にも違いがあります。健康診断の場合、基本的な健康状態の把握が目的であり、異常が発見された場合追加の検査や専門医の紹介を受けることが多いです。

一方、人間ドックでは、詳細な検査結果をもとに専門医が詳細に説明し、健康リスクについてアドバイスを行います。これにより、早期に治療や生活改善のための措置を講じることが可能となります。

病院の選定基準

健康診断と人間ドックの病院における選定で見るべきポイントは、それぞれ異なります。そのうえで、以下を押さえて活動していくことが大切です。

健康診断

ニーズの整理と明確化

健康診断の選定では、ニーズの整理と明確化が重要です。診断目的や健康診断の種類、対象となる従業員の年齢層や性別など、具体的なニーズを明確にする必要があります。こうしたニーズの整理と明確化を経て、初めて医療機関の比較や選定ができます。

見積もりの比較

企業の担当者は、サービス内容、費用、アフターフォローの充実度など、比較項目を把握しながら見積もりを入手します。健康診断の費用は一定の範囲内に収める必要があります。

例えば、定期健康診断の場合、一人当たり5,000円から15,000円前後に設定している医療機関が一般的です。その際、導入企業の体験談や評判も参考にすると良いでしょう。

人間ドック

希望する検査項目

人間ドックは膨大な数の検査項目の中から、検査項目を決定していきます。自身の健康状態やこれから検査が必要となる項目を取り扱っている病院を選択します。

例えば、女性の場合は30代では乳がん、40代からは子宮筋腫などの発症リスクが高まります。年齢や性別を基にして、希望する検査項目を参照します。

診断レベルや医療の質の高さ

人間ドックは健康診断よりも検査項目が多く、その費用や所要時間も大きいです。自身が必要とする検査項目に対して、十分な診断レベルや医療の質であるかを確認することが大事です。

医療施設として信頼できる病院を見極めるうえで、一般社団法人 日本病院会の「日本人間ドック学会 機能評価認定および指定施設一覧」が定めたところから選ぶことが推奨されています。

企業の健康診断向け予約システムとは

健康診断の予約システムを導入している医療機関を指定することで、企業は従業員の予約に掛かる負担を軽減できます。ここでは、健康診断の受診予約を円滑化に特化した予約システムの機能について解説します。

顧客データCSV出力機能

顧客データCSV出力機能は、Excelやスプレッドシートなどのあらゆる表計算ソフトにインポートすることで、CSVファイル形式で顧客情報を出力できる機能です。詳細を絞り込んで顧客データをダウンロードすることもできます。

オプション機能

オプション機能は、予約者がメニューの選択後にあらかじめ設定したオプションを追加できる機能です。オプションメニューにかかる料金は、予約メニューとの合計としてまとめて表示されるため、別途で計算する必要はありません。

閲覧・予約制限機能

閲覧・予約制限機能を使用することで、限定した人だけに予約サイトの閲覧を許可することができます。予約者は合言葉を入力すると、ログイン後にメニューの閲覧、サービスの予約が可能になります。

予約者情報カスタマイズ

RESERVA予約システムでは、予約時に氏名(漢字)、氏名(カナ)、メールアドレス、電話番号が入力必須ですが、それに加え、定型項目として会社・組織情報、部門名、生年月日、性別、会員番号などを追加できます。

予約者情報カスタマイズを活用すると、定型項目以外に、管理者側が自由に質問を作成した新規項目を追加することが可能です。

まとめ

本記事では、企業向けの健康診断と人間ドックの具体的な違いや選定のポイントについて解説しました。一般的に両者は混合されて使用されることがありますが、それぞれの目的や検査項目において明確な違いがあります。

また、企業向けの健康診断や人間ドックのいずれにおいても。定期的な検査をすることで自身の健康管理を行っていくことが重要です。

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