企業向け健康診断における法律上の実施義務と注意点

企業向け健康診断における法律上の実施義務と注意点

企業向け健康診断は、従業員の健康管理から企業の生産効率向上にも寄与する重要な施策です。健康診断とは、従業員の健康状態を評価するために行われる医学的な検査や調査のことを指します。従業員の職業上の健康リスクや職場環境による影響の検査も目的としています。

企業向け健康診断は、法律上の実施義務があります。労働安全衛生法の120条1項によると、従業員に健康診断を受診させていない企業に対して、50万円以下の罰金を科しています。注意すべき点は、企業の業種や従業員における雇用体系により実施義務が決まります。

本記事では、企業向け健康診断の実施義務と対象者、実施上の注意点について解説します。そして、企業向け健康診断における予約システムの目的や導入メリットについても紹介します。

企業向け健康診断の頻度と実施基準

労働安全衛生法に基づく健康診断の頻度と実施基準は、業務内容や労働環境によって異なります。健康診断の種類は大きく分けて、一般健康診断と特殊健康診断となり、各企業の業種によって実施するべき健康診断の種類が変わります。

一般健康診断の場合

厚生労働省が公開している「一般健康診断の項目一覧表」によると、一般健康診断の種類は「雇入れ時、定期健康診断と特定業務従事者」に分けられます。

会社負担が義務化している健康診断:

雇入れ時
会社に雇用された際に受診する健康診断

定期健康診断
従業員に対し1年以内ごとに1回実施する健康診断

特定業務従事者
深夜業などの特定業務への従業員に対して、当該業務への配置換えの際および6月以内ごとに1回行う健康診断

特殊健康診断の場合

特殊健康診断は、特定の業種や職種、作業内容に関連する健康リスクを特定し、そのリスクに特化した健康診断を指します。各業種によって特殊健康診断の実施頻度が異なりますが、有機溶剤業務を例に見ていきましょう。

有機溶剤は、他の物質を溶かす性質を持つ有機化合物のことです。有機溶剤業務には、自動車整備士や塗装工、化学工場の作業員など有機溶剤を扱う業種が含まれます。

有機溶剤に関する業務
特殊健康診断の実施頻度は、1年以内ごとに1回

参照資料:厚生労働省「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案概要等

>>企業向け健康診断における予約システム活用と診断項目の解説

健康診断の実施義務

厚生労働省が発表した「労働安全衛生法に基づく 健康診断を実施しましょう ~労働者の健康確保のために~」によると、事業者は、労働安全衛生法第66条に基づき、労働者に対して、医師による健康診断を実施義務があります。

健康診断は従業員の健康を守るために義務付けられています。この法律は従業員の健康を重視し、職場環境における健康リスクを最小限に抑えることを目的としています。健康診断を通じて、従業員の健康状態を把握し、必要な医療措置を早期に行うことで、従業員の健康を保護していきます。

健康診断の対象者

従業員の労働時間や労働条件によって、健康診断の受診義務があるかが決まります。会社の規模に関わらず、対象となる従業員を雇用した際は健康診断を受けさせる義務があります。

正社員

正社員は常時雇用する従業員に該当します。正社員は健康診断の対象となるため、健康診断の受診義務があります。具体的には、年に1回の定期健康診断に加え、雇い入れの前後に健康診断を受ける必要があります。

パート(アルバイト)

東京労働局によると、パートは下記の要件を満たした場合は健康診断の受診義務が発生します。

・週の労働時間が正社員の4分の3以上
・雇用契約期間が1年以上

会社側でパートを雇用している場合、該当の者がこちらの要件に当てはまるかを正確に把握する必要があります。

参照:東京労働局 「労働安全衛生関係

企業が注意すべき点

企業が健康診断を実施するうえで、様々な要素に考慮しなければいけません。その中でも重要な要素は個人情報の管理と法律上の注意事項です。

個人情報の管理

企業向け健康診断は、従業員の個人情報を取り扱うため、情報漏洩やプライバシー侵害などのリスクが存在します。個人情報の漏洩や不適切な取り扱いが発生すると、法的な制裁や罰金の対象となります。また、損害賠償請求のリスクも考慮する必要があります。

これらのリスクを最小限に抑えるためには、個人情報の適切な管理や法的な規制の順守が必要です。個人情報の適切な管理は、企業イメージの維持や向上にも関係するため、ビジネスの持続性において不可欠な要素です。

法律上の注意事項

厚生労働省が公開した「健康診断 Q&A」によると、受診義務を負った労働者が受信を拒否した場合、懲戒処分をもって対処することもできます。

ただし、事業者が指定する医師以外の医師による健康診断を受ける医師選択の自由は認めています。労働者が指定された医師による健康診断の受診を希望しない際は、労働者自身で他の医師における診断結果を事業者への提出義務があります。

会社側は、従業員の意思を尊重し、適切な情報提供と同意を得ることが肝心です。

企業向け健康診断予約システムとは

企業向けの健康診断予約システムは、従業員の健康を管理するためのシステムの一つで、その役割は従業員がスムーズに健康診断を受けられるようにすることです。予約システムは、従業員が必要な診断項目を選び、実施時期を確認するなど、企業の運営における効率化につながります。

予約システムの目的

予約システムの主な目的は、従業員が希望時間と診断項目を自由に選択し、健康診断を受けやすくできることです。特に企業の規模が大きくなると、健康診断の日程や参加者の管理が難しくなるため、効率的な予約管理システムが不可欠です。

予約システム導入のメリット

予約システム導入のメリットは、管理作業の自動化や効率化を図れることです。これにより、重要なミーティングやプロジェクトの進行に影響を与えることなくスムーズに診察の受診につなげれます。また、手動管理に伴う人件費や人為的ミスによる再調整のコストを削減もでき、経営効率を高められます。

まとめ

本記事では、企業向け健康診断の予約システム活用方法、健康診断の項目と実施時期について解説しました。企業向け健康診断を効率良く利用するための基本的な知識を学び、健康な職場環境を維持していくことが重要です。

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