健康診断を会社で実施するうえで把握しておくべき5つのポイントを解説

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健康診断を会社で実施するうえで把握しておくべき5つのポイントを解説

企業では従業員に健康診断を受診させる義務があり、従業員の健康維持を推進しなければいけません。従業員が健康であることは、企業の発展にも欠かせない要素です。各企業は健康診断を実施するうえで、受診すべき健康診断の種類や対象となる従業員の確認など、さまざまな業務が発生します。

各企業のスタッフは、予め必要な関連情報を理解しておくことで、スムーズな健康診断の実施につなげられます。そこで本記事は、企業の健康診断に関して重要事項を紹介します。そして、企業向け健康診断における予約システムの目的や導入メリットについても紹介します。

①健康診断の種類

企業が健康診断を実施するにあたり、対象となる健康診断の種類を把握する必要があります。以下の内容を押さえて準備していくことが大切です。

一般健康診断の診断項目

一般健康診断とは、事業者が労働者に対して労働安全衛生規則により義務付けられている健康診断を指します。厚生労働省が公開している「一般健康診断の項目一覧表」によると、一般健康診断の種類は「雇入れ時、定期健康診断と特定業務従事者」です。

一般健康診断の診断内容は、下記が含まれます。

診断項目意味・目的
既往歴及び業務歴の調査これまでの病気や手術の履歴、過去の健康診断での特記事項や指摘された項目、既知のアレルギーや服用中の薬に関する情報などを調べます
自覚症状及び他覚症状の有無の検査自覚症状は自身が感じている健康上の問題や体調の変化を自ら報告し、他覚症状では医師や看護師が検診時に観察した異常所見や特徴を記録します
身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査身長や体重、BMI(体格指数)などを測定することで、肥満や栄養状態を判断します
胸部エックス線検査肺や心臓の異常を発見するために行います
喀痰検査(かくたん)肺や気管支から出る喀痰を採取し、結核菌やその他の病原体、細胞の異常などを顕微鏡で観察します
血圧高血圧症などの血圧異常の有無を調べます
貧血検査血液中のヘモグロビン量や赤血球数を調べ、体内の酸素を運ぶ能力が適切かを評価します
肝機能検査血液サンプルを使用して、肝臓の健康状態や機能を評価します
血中脂質検査動脈硬化や心疾患のリスク評価を目的として、血中の脂質の濃度を測定します
血糖検査血中のグルコース(糖)濃度を測定し、糖尿病やその前段階である異常な糖代謝の有無を確認します
尿検査尿の成分を分析し、腎臓の機能や尿路感染、糖尿病などの病状を検出します
心電図検査心臓のリズムや伝導の異常、心筋の虚血などの異常を検出して、心臓の電気的な活動をグラフとして記録します

参照資料:厚生労働省「一般健康診断の項目一覧表

特殊健康診断の診断項目

特殊健康診断は、特定の業種や職種、作業内容に関連する健康リスクを特定し、そのリスクに特化した健康診断を指します。従業員が取り扱う有害物質や、特定の業務環境に伴う健康リスクを確認するために実施します。

また、厚生労働省が発表した「労働安全衛生法第66条第2項、3項の政令で定める有害な業務について(特殊健康診断、歯科検診)」で、健康診断を実施する必要のある該当の業務が明記されています。

ここでは、有機溶剤業務に携わる従業員の健康診断において必須項目の検査を紹介します。有機溶剤は、他の物質を溶かす性質を持つ有機化合物のことです。

有機溶剤業務で必須の受診項目
有機溶剤による健康障害の既往歴の有無の検査
有機溶剤による⾃覚症状及び他覚症状の既往歴の検査
血液中の成分や数値を調べ、内臓器官の機能や全身の健康状態の評価

引用資料:厚生労働省「労働安全衛生法第66条第2項、3項の政令で定める有害な業務について(特殊健康診断、歯科検診)

>>企業向け健康診断における予約システム活用と診断項目の解説

②健康診断の対象者

健康診断の対象範囲は、雇用形態ではなく労働時間や雇用関係に基づいて決まります。健康診断の対象となる従業員は、以下の通りです。

正社員・パート

正規の従業員は、企業と直接雇用契約を交わしているため、全員が健康診断実施の対象になります。加えて、パートやアルバイトの従業員も条件を満たしているならば健康診断を受診させる必要があります。

週の労働時間が正規従業員の4分の3以上かつ契約期間が1年以上であるパートやアルバイトの従業員は、健康診断受診の対象になります。それを下回っている場合は、雇用契約を交わしていても対象外です。

参考リンク:厚生労働省東京労働局「労働安全衛生関係 Q16

派遣社員

派遣社員の雇用主は、派遣元の企業になります。したがって、派遣先である企業は、派遣社員に健康診断を受けさせる義務がありません。派遣社員は労働契約を締結している派遣元の企業から健康診断の実施義務が生じます。

役員

役員は従業員に含まれますが、健康診断を受診する必要がある人とそうでない人がいます。労働者性のある役員の場合は、健康診断を受診する必要があります。主に工場長や役職を兼務している人はこれに該当する場合が多いです。

一方で代表取締役社長などは事業主という扱いになるため、健康診断受診の義務はありません。従業員の家族・配偶者についても受診義務はありません。あくまで企業と直接雇用契約を交わしている人物に義務がある仕様になります。

>>健康診断の対象者と範囲について分かりやすく解説

③健康診断を受診する時期

健康診断を実施する頻度と実施基準は労働安全衛生法に基づいており、業務内容や労働環境によって異なります。

一般健康診断の種類は下記となり、それぞれ受診すべきタイミングは異なります。これらの健康診断は、労働安全衛生法等により企業に実施が義務付けられており、企業が全額負担する義務があります。

会社負担が義務化している健康診断:

雇入れ時
会社に雇用された際に受診する健康診断

定期健康診断
従業員に対し1年以内ごとに1回実施する健康診断

特定業務従事者
深夜業などの特定業務への従業員に対して、当該業務への配置換えの際および6月以内ごとに1回行う健康診断

>>企業向け健康診断における法律上の実施義務と注意点
>>企業向け健康診断の費用は、どこまでが会社負担かのポイントを詳しく解説

④外国籍社員への対応

外国人労働者安全管理支援事業の「外国人労働者安全衛生管理の手引き」によると、定期的な健康診断の受診義務は日本国籍の従業員のみならず、外国籍社員にも適用されます。

外国籍社員の中には、来日前に母国で健康診断を受診する人もいます。しかし、日本と同様の健康診断制度を持つ国は少ないことから、日本で健康診断を再受診するケースがほとんどです。

>>外国籍社員に対する健康診断の実施は必須?注意点やポイントを解説

⑤再検査の必要性

医療機関ごとに再検査の基準が異なるため、該当の医療機関の判定区分を確認しておく必要があります。一例として、5段階評価の健康診断の判定基準を紹介します。

公益社団法人日本人間ドック学会の「会告 判定区分の改訂等について」によると、健康診断の判定区分は下記の5段階評価に識別されます。AからDの判定区分になるほど、再検査の必要性が高まります。

判定区分月額料金
A異常なし
B軽度異常
C要再検査・生活改善
D要精密検査・治療
E治療中

加えて、厚生労働省の「労働安全衛生法に基づく健康診断に関する FAQ」によると、再検査の費用を誰が負担するかは法令によって定められていません。会社側で再検査費用の負担義務がないため、従業員の自己負担となることもあります。

異常値が出た場合

健康診断の結果で基準値から大きく外れた異常値が出た場合、再検査を受けることが推奨されています。具体的として、血圧や血糖値が通常よりも高い場合、長期的な健康問題を引き起こす可能性があります。

そのような際、潜在的な健康問題の兆候である可能性があり、正確な診断を行うためにも再検査が求められます。

基準値を超えた場合

診断結果の数値が基準値を少しでも超えた場合でも、再検査が推奨されることがあります。軽微な異常値でも継続的な健康管理の観点から見過ごしてはならず、再評価を行うことが大切です。

例えば、コレステロール値や肝機能の数値が基準値を微妙に超えている際は、早期に再検査を行うことで将来的な健康リスクを低減することができます。

企業の健康診断向け予約システムとは

健康診断の予約システムを導入している医療機関を指定することで、企業は従業員の予約に掛かる負担を軽減できます。ここでは、健康診断の受診予約を円滑化に特化した予約システムの機能について解説します。

顧客データCSV出力機能

顧客データCSV出力機能は、Excelやスプレッドシートなどのあらゆる表計算ソフトにインポートすることで、CSVファイル形式で顧客情報を出力できる機能です。詳細を絞り込んで顧客データをダウンロードすることもできます。

オプション機能

オプション機能は、予約者がメニューの選択後にあらかじめ設定したオプションを追加できる機能です。オプションメニューにかかる料金は、予約メニューとの合計としてまとめて表示されるため、別途で計算する必要はありません。

閲覧・予約制限機能

閲覧・予約制限機能を使用することで、限定した人だけに予約サイトの閲覧を許可することができます。予約者は合言葉を入力すると、ログイン後にメニューの閲覧、サービスの予約が可能になります。

予約者情報カスタマイズ

RESERVA予約システムでは、予約時に氏名(漢字)、氏名(カナ)、メールアドレス、電話番号が入力必須ですが、定型項目として会社・組織情報、部門名、生年月日、性別、会員番号などを追加できます。

予約者情報カスタマイズを活用すると、定型項目以外に、管理者側が自由に質問を作成した新規項目を加えることが可能です。

まとめ

会健康診断を会社で実施するうえで把握しておくべきポイントを解説しました。会社向け健康診断は、従業員の健康管理や予防医学の一環として非常に意義があります。会社側は事前に健康診断の実施に向けた重要事項を把握することで、スムーズな検診につなげられます。そのうえで、予約システムを使用すれば、容易に受診予約ができ、効率的に受診につなげられます。

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