企業向け健康診断は、従業員の健康管理から企業の生産効率向上にも寄与するため、重要な施策です。定期的に健康診断を行い、従業員の健康状態を早期にキャッチアップすることで、疾患の早期発見と治療が可能になります。また、企業側は健康診断を受診した従業員に再検査の通知があった場合、どのように対応すべきか明確しておくことが重要です。
厚生労働省の「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」によると、企業側から従業員に再検査を受けさせる義務はなく、罰せられることもありません。ただし、従業員が再検査を受けずに業務を継続して病気にかかった場合、企業に責任が問われることがあります。
本記事では、再検査の基準、再検査が必要なケース、当日の流れや注意点などについて詳しく紹介しています。そして、企業向け健康診断における予約システムの目的や導入メリットについても紹介します。
>>企業の健康診断費用について解説
>>企業健康診断を受けないとどうなる?リスクや受けるメリットを解説!
再検査における基準
健康診断の再検査とは、一次検査の診断結果の判定区分の一つとなります。例として、5段階評価の健康診断の判定基準を紹介します。公益社団法人日本人間ドック学会の「会告 判定区分の改訂等について」によると、健康診断の判定区分は下記の5段階評価に識別されます。
医療機関ごとに独自の区分が設定されているため、該当の医療機関の判定区分を確認しておくことが重要となります。
判定区分 | 月額料金 |
A | 異常なし |
B | 軽度異常 |
C | 要再検査・生活改善 |
D | 要精密検査・治療 |
E | 治療中 |
再検査が必要なケース
異常値が出た場合
健康診断の結果で基準値から大きく外れた異常値が出た場合、再検査を受けることが推奨されています。
例えば、血圧や血糖値が通常よりも高い場合、長期的な健康問題を引き起こす予兆かもしれません。その場合は潜在的な健康問題の兆候である可能性があり、正確な診断を行うためにも再検査が求められます。
基準値を超えた場合
診断結果の数値が基準値を少しでも超えた場合でも、再検査が推奨されることがあります。軽微な異常値でも継続的な健康管理の観点から見過ごしてはならず、再評価を行うことが大切です。
例えば、コレステロール値や肝機能の数値が基準値を微妙に超えている際は、早期に再検査を行うことで将来的な健康リスクを低減することができます。
再検査を怠るリスク
再検査は単なる手続きではなく、従業員と企業における双方の持続的な健康と生産性を維持するための重要なプロセスとなります。再検査を怠ると、以下のリスクが生じます。
健康状態の悪化:異常値を放置することで、健康状態が悪化し、重篤な病気へ進行する可能性があります。例えば、高血圧を放置すると心筋梗塞や脳卒中のリスクが増加します。再検査を受けることで、これらのリスクを早期に発見し、適切な対策を講じることができます。
仕事への影響:健康問題が進行することで、従業員は仕事への集中力や生産性が低下します。例えば、糖尿病の初期症状を見逃すと、進行に伴い疲労感が増し、作業効率が下がることがあります。
企業の責任:従業員が再検査を受けずに仕事を継続することで病気にかかってしまった場合、企業側の責任が問われることがあります。企業でも従業員の再検査の必要性を認識することで、的確な対策を実施する必要です。
再検査の流れ
再検査を進めるにあたり、以下がそのステップとなります。
再検査の流れ
通知の確認
健康診断の結果通知で再検査が必要と判断された場合、まずは通知を詳しく確認します。通知には再検査の必要な検査項目や期限、再検査を受ける医療機関の情報が含まれています。通知に書かれている期限を守ることが重要で、迅速な対応が求められます。
再検査の予約
会社指定の医療機関
多くの企業では、指定の医療機関で再検査を受けるよう指示しています。この場合、会社の健康管理部門に連絡を取り、指示に従って予約を行います。会社指定の医療機関で予約を行う際には次の点に注意することが重要です。
再検査の希望日時を健康管理部門に伝える。
詳細な予約手順を確認する。
必要書類や準備物の確認。
指定の医療機関を利用することで企業の補助を受けられる場合もありますので、詳細を確認しましょう。
個人での手配
会社指定の医療機関以外でも再検査を受けたい場合は、保険適用の範囲内で個人で予約を手配することも可能です。診療科目や医療機関の評判などを確認してから予約を行うことが重要です。
再検査前の注意点
企業向け健康診断で医療機関を訪れる際に、事前に注意するべき点は下記となります。
>>企業向け健康診断における適切な服装と当日の流れの解説
>>企業向け健康診断における法律上の実施義務と注意点
受診前の準備
受診の前日には、特に飲食に気を付けることが大切です。特定の検査では食事制限があるため、事前に医療機関側に確認することが重要です。また、健康診断で空腹時の採血を行う場合が多いため、前日夜9時以降の食事は控えます。
十分な睡眠を取ることも、検査当日を無事に過ごすための必須な点であり、ゆとりをもって前日のスケジュールを組みます。
主な検査項目の説明
主な健康診断の検査項目は、血液検査、尿検査、肝機能検査、心電図検査等などがあります。会社の業種や職種によっても、必要な検査項目が異なることがあります。専門的な知識を必要とするため、医師の説明をよく聞いて理解しましょう。
>>企業向け健康診断における予約システム活用と診断項目の解説
当日の注意点
当日の再検査時は、体調管理と確実な受診に注意することが不可欠です。前日の適度な運動と良質な睡眠が必要になります。採血に空腹状態が求められている場合、指示された時間以外での食事は控えます。
また、検査日は混雑や待ち時間を考慮して、余裕を持って病院に到着し、予約時間を厳守することが重要です。
問診票の記入方法
再検査の際には、問診票の記入が求められることが一般的です。正確で詳細な情報を記入することが、医師が適切な診断を行いやすくなります。以下に、問診票に記載する主な項目を示します。
既往歴:過去にかかった病気や手術の履歴を記入することで、医師は患者の健康状態の変遷を把握できます。これにより、再発のリスクや特定の症状の原因を見つけやすくなります。
服用中の薬:処方薬、市販薬、サプリメントも含まて、現在服用している薬をすべて記入します。薬の相互作用や副作用を避けるために重要になります。
アレルギー:薬や食物、環境要因に対するアレルギーを記入することは必須です。アレルギー反応を引き起こす可能性のある薬や治療法を避けることができます。
企業の健康診断向け予約システムとは
健康診断の予約システムを導入している医療機関を指定することで、企業は従業員の予約に掛かる負担を軽減できます。ここでは、健康診断の受診予約を効率化する予約システムの機能について解説します。
顧客データCSV出力機能
顧客データCSV出力機能は、Excelやスプレッドシートなどのあらゆる表計算ソフトにインポートすることで、顧客情報をCSVファイル形式で出力することできる機能です。詳細を絞り込んで顧客データをダウンロードすることも可能なため、健康診断の運営効率を高めることが可能です。
残席数表示機能
残席表示機能は、予約可能な残席数を予約サイト画面上に表示する機能を指します。予約の可否のみならず、予約枠に対する残席数を可視化でき、空き状況を可視化することが可能です。
人数制限機能
RESERVAでは日にち、時間ごとに予約上限人数が設定でき、上限に達した際に、自動的に予約受付が締め切られます。診療プランごとに人数制限を変えることも可能です。
Googleカレンダー連携機能
Googleカレンダー連携機能は、予約サイトで受け付けた予約をGoogleカレンダーに反映し、Googleカレンダーの予定をRESERVAの予約カレンダーに反映する機能です。手動でカレンダーに情報を入力する手間を省くことができ、日程の管理が楽になります。
まとめ
本記事では、再検査の基準、再検査が必要なケース、当日の流れや注意点について解説しました。企業は従業員に対して再検査の実施義務がありませんが、従業員が再検査を受けることは、従業員と企業の双方にとって非常に重要です。そのため、従業員に再検査の通知が発生した場合、企業は再検査を推奨することが求められています。
従業員の再検査に関してお悩みの方は、ぜひ当記事を参考にしてください。
企業向け健康診断には、予約システム「RESERVA」がおすすめ!
画像引用元:RESERVA公式ホームページ
企業向け健康診断におすすめの機能が豊富な予約システムRESERVAを紹介します。「RESERVA(レゼルバ)」は導入数28万社を超え、国内シェアトップクラスの実績を誇るクラウド型予約管理システムです。RESERVAは、業界・業種問わず350種類以上の業態で利用されています。
パソコン・スマホ・タブレットに対応しており、最短3分で予約システムの作成可能です。管理画面もシンプルでわかりやすいため、初めての予約システムに最適です。予約受付・顧客管理をはじめとする多くの機能が無料から利用可能で、開業直後の忙しい時期でも使うことができます。
顧客管理や予約業務をシステムに任せることで、経営により多くの予算と時間を割くことが可能です。ぜひ利用を検討してみてください。